休業損害の基本的な考え方は、被害者が事故前に得ていた収入を基準に、休業期間中に得られなかった分を補填するというものです。これは給与収入、ボーナス、手当、さらには自営業者の事業収入など多岐にわたります。

計算方法

休業損害の計算は、被害者の職業や収入形態によって異なります。

給与所得者の場合

給与所得者の場合、事故前の月収を基準に計算します。基本給だけでなく各種手当も含まれます。例えば、月収30万円の人が3か月間休業した場合、90万円（30万円×3か月）が休業損害として認められます。

自営業者の場合

自営業者の場合、過去の確定申告書や収支計算書から算出された平均月収を基に計算します。自営業者は事業の収益が変動しやすいため、休業による影響を証明することが求められることがあります。

専業主婦や学生など、定期的な収入がない人でも休業損害が認められることがあります。専業主婦の場合、家事労働の価値を基に計算されます。例えば、家事代行サービスの相場などを参考にします。

休業損害を請求するためには、以下の手続きが必要です。

1. 医師の診断書

休業の原因となった傷病についての診断書が必要です。治療期間や休業の必要性が記載されていることが重要です。

2. 収入証明

給与所得者の場合、給与明細や源泉徴収票など、自営業者の場合、確定申告書や収支計算書を提出します。

3. 休業証明書

雇用主から発行される、休業期間を証明する書類です。

4. 損害賠償請求書

これらの書類を基に損害賠償請求書を作成し、加害者やその保険会社に提出します。

休業損害は、民法や自賠法（自動車損害賠償保障法）に基づいて請求されます。

民法

民法第709条では、不法行為による損害賠償について定めており、休業損害もここに含まれます。被害者は加害者に対して、事故や災害で生じた全ての損害を賠償するよう請求できます。

自賠法

自動車事故の場合、自賠法に基づいて自賠責保険から休業損害が支払われます。この場合、損害額は一定の基準に従って計算されます。自賠責保険は、被害者の最低限の補償を目的としているため、上限が設けられています。

まとめ/福井市　大坪整骨院

休業損害は、事故や災害により収入を失った被害者の生活を支えるための重要な制度です。正しい手続きを踏み、必要な証拠を揃えることで、適正な補償を受けることが可能です。被害者にとっては迅速かつ適切な対応が求められ、法律の専門家の助言を得ることも有効です。休業損害の請求には専門知識が必要なため、弁護士や専門家に相談することが賢明です。

以上のように、休業損害は被害者の生活の安定を図るために欠かせない賠償項目です。事故や災害に遭った際は、適切な手続きを通じて権利を主張し、生活の早期再建を目指すことが重要です。