まず頚椎というのは、7つある首の骨のことを指します。頚椎は、椎間板と呼ばれる軟骨の結合や、椎間関節、いくつかの靱帯によりそれぞれ連結しております。

手足の動きや指先の感覚、刺激といった情報は、脊髄神経を通って、脳と末梢神経を行ったり来たりします。その脊髄神経の通り道のことを脊柱管といい、この脊柱管が狭くなることで脊髄神経が圧迫されてしまい、さまざまな症状が現れます。

このような病態のことを「頚椎症」といいます。

基本的に、年齢を重ねていくとともに、頚椎や椎間板、靱帯といったものは変形をしていきます。

最近では、皆がスマートフォンを利用しますし、仕事上パソコンと向き合っている時間がほとんどというデスクワークの方も多くみられます。そういった首に対して悪い姿勢が変形の1番の原因といわれています。

頚椎が変形していくと、骨から突起が生じます。これを骨棘といい、字の通り棘のような突起が神経を強く圧迫します。また、靱帯も徐々に肥厚していくのも、神経を圧迫する原因になります。

こういった変化に加え、我々日本人は、脊柱管の幅が欧米人と比べ元から狭いというのも、脊髄神経の圧迫の原因の1つといえるでしょう。

頚椎症の症状として、初期段階で起こるのが、指先のしびれです。徐々にしびれの範囲が広がっていくため、手根管症候群などの末梢神経のしびれなどとの鑑別も重要になってきます。また、痛みが発症していると頚椎の椎間板ヘルニアなどが原因のケースも多くみられます。

病状が進むと、指先の感覚が鈍くなっていくため、ボタンを留めたり、お箸を使ったり、字を書いたりといった行為がやりづらくなります。

他にも財布から小銭を出したり、新聞紙などをめくったりという細かい動きが困難になります。こういった細かい運動の障害を巧緻運動障害といいます。

他にも、運動神経の障害として握力が低下したり、上肢を挙上する動きが困難になったりします。握力が10kgを下回るようだと、日常生活にも大きく支障をきたすので、この場合は早期の手術治療も必要になります。

前述の通り、頚椎症は、頚椎に骨棘ができたり、靭帯が肥厚したりと変形による脊髄神経の圧迫が1番の原因です。整骨院の治療では、そのできた骨棘を治したり、肥厚した靭帯を元通りにすることはできません。しかし、首に負担がかかって発生している痛みであることは間違いないので、確実に周辺の筋肉などにも負担はかかっています。

当院では、その負担のかかった首まわりの筋肉の疲労を取るために筋肉調整を中心に治療を行なっていきます。手技だけでは首まわりの疲労が取りきれないことも多いため、干渉波治療器や、超音波治療器、ハイボルテージ治療器など物理療法も併せて行うことで少しでも首まわりの疲労を除去する治療をさせていただきます。

また、必要に応じて骨格の矯正（骨盤矯正）等も入れさせていただき、歪んだ身体を少しでも元通りの位置に戻すよう努めます。そして、状態に合わせて首、肩、肩甲骨まわりの運動やストレッチを提案させていただき、痛みの出づらい身体を一緒に作っていければと思います。

首まわりの痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。